藤沢市本鵠沼の耳鼻咽喉科です。地元の皆様の「みみ・はな・のど」の健康管理のお役に立ちたいとおもいます。

個別治療

舌下免疫療法

鼻アレルギーに対する舌下免疫療法について

本鵠沼耳鼻咽喉科

舌下免疫療法は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)のエキスを、比較的長期(3〜5年)にわたり微量を摂取することで、体をアレルゲンに慣らして、アレルギー症状を消失もしくは軽快させようとするもので、一種の体質改善治療ともいえます。

具体的には、1日1回一定の時間に、錠剤1錠を舌の下(裏)に1分間保持した後飲み込むというシンプルなものですが、『長期にわたりこれを連日根気よく継続できるかどうか』が治療の成否を左右する大きなポイントと思われます。

日本では数年前に厚労省に保険診療として認可され、現在は季節性のスギ花粉と通年性のダニによるアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法が実用化されています。スギ花粉に関しては、非飛散期である6〜11月の間にのみ治療開始が可能ですが、ダニに関しては通年開始可能です。

対象年齢は、当院では原則として10歳〜65歳としています。5歳位から可能とされていますが、長期にわたり日々継続する治療ですから、親御さんは元より本人もこの治療の概要を理解しておく必要があると考えるからです。また、65歳以上の高齢者では、この治療が適さない循環器・呼吸器疾患をお持ちの方が多いからです。

治療成績は、20%は鼻炎症状が消失し、60%では鼻炎症状が軽快し、合計80%に効果がみられました。一方で残り20%には残念ながら効果はみられませんでした。

副作用の多くは、錠剤アレルゲンエキスによる口腔の粘膜炎症状や鼻や耳の痒み症状など軽微なもので、数日の対症治療もしくは休薬で解消されます。

ただし極く稀ながら、広範囲のじんま疹や呼吸困難、血圧低下などの全身的で重篤な副作用であるアナフィラキシー(ショック)が起きるうる、ということも十分に理解しておかねばなりません。特に、服用後30分間、服用開始初期(おおよそ1ヶ月)、スギ花粉の飛散期は要注意です。

種々の抗アレルギー薬を試してもなかなか鼻症状の改善がみられない方、抗アレルギー薬の眠気がひどい方、妊娠を予定しており抗アレルギー薬が飲めない方、などに推奨されます。この治療をお考えの方は、ご来院のうえ是非一度ご相談下さい。